2010年(平成22年)9月、東証一部上場企業である武富士が会社更生法の適用を東京地裁に申請し、10月に受理されました。その、数ヵ月後に武富士がまさかの破綻!過払い金の変換手続きを、2011年(平成23年)2月末までに届け出なければ受け取れなくなるという事態に・・・。なんと、負債総額は4336億800万円!債権者は約200万人にものぼると言われていました。
貸金業法改正により、2つの異なる金利帯が存在していた「グレーゾーン金利」が撤廃されたことで、払い過ぎていた利息の返金を求める利用者が殺到しました。過払い額は2兆円以上とも言われていたので、この「過払い金の請求」によって武富士は一気に追い込まれたと思われます。
利用者にとっては、払わなくてもいいはずの利息分なのですから、過払い金は全額取り戻したいところなのです。しかし、過払い金請求をしても、全額返済される可能性は極めて低く、未だに、いつ何割戻ってくるのか分からない状態の人もいるようです。
では、過払い金が返済されるまでの流れを解説いたします。
①武富士に高い利息を払い過ぎていた利用者が「過払い金請求権」を債権として届出
②更生計画により配当率が決定
③配当率により過払い金の一部が配当
しかし、この配当率が何%になるのかは不明とのこと。例えば過払い金100万円を請求したとします。配当率が15%に決定した場合、返済されるのは、わずか15万円という訳です。
何とも腑に落ちない話ですが、届け出なければ1円すら戻ってこないのですから、悔しい限りです。
また、全国で1,000人以上の利用者が残された借金に対する減額請求ができる権利があるとのこと。武富士に限らず、他の消費者金融など複数から借入をされていて何かお困りの場合や、自分では分からないことなどがあれば、弁護士や司法書士など専門家に相談されることをオススメいたします。